メディアによってマヒさせられる性感覚

もともと西欧諸国ではキリスト教の影響で、性に関して保守的な考え方が根強くありました。1960年代に「フリーセックス」の思想がアメリカで急激に広まったのには、マスメディアが大きな役割を果たしたと言われています。わが国においても、それは同じことでしょう。メディアは、多くの情報を視聴者に提供し真実を伝える役割を担っていますが、一方でゆがめられた情報をも広めてしまうという欠陥も持っています。受け手の側が取捨選択できないために、知らず知らずのうちにマインドコントロールされる危険性をはらんでおり、子どもたちはメディアによってセックスについて誤った認識を植え付けられています。それを修正するのも、性教育の重要な役割です。

【社会化により定着する性行動】

子どもは大人や仲間の行動を観察し、あるいはメディアを通じて学習します。そして、学習した内容が自分の周りの人々、家族や学校の友達などに受け入れられると感じた時に、それが知識や価値、行動様式として習得されていきます。これを社会化の過程と呼びますが、若い人たちの行動様式は社会化によって変化し、形成されていくという特徴を持っています。

テレビや映画では、スターたちが愛し合いセックスをして結ばれます。ベッドシーンは美しくロマンチックに描かれるため、誰もがセックスを「ただ美しいもの」ととらえます。大人であれば、必ずしも性行為は美しいだけとは思いませんが、知識や情報の少ない子どもたちは「これがセックス」と思い込むわけです。たとえ、ドラマの中では、レイプされても女性はしばらくすると立ち直り普通の生活に戻るという描写がされることが多いですが、それを「普通のこと」と感じてしまいます。

映像の世界では、性行為の際にコンドームを装着する場面はほとんど登場しません。行為の後にはずして捨てる場面も出てきません。それなのに、ヒロインは妊娠することもありませんし、性感染症で苦しむこともありません。セックスは、ただただ気持ちいいだけのものです。現実ではないものが、メディアによって「普通のこと」として若者たちの脳に刷り込まれていってしまうのです。メディアの世界の出来事は現実とは異なることを。性教育の中で教えなければなりません。

【性の自由化がもたらした性感染症の大ブレイク】

先進諸国で性感染症の患者が急増したのは、セックスに関する認識が大きく変わったことと関係しています。1970年代以降、未婚のカップルが性的関係を持つことが「普通」のこととなり、同時に複数の人と性交渉することさえも受け入れる人も増えてきました。アナルセックスや道具を使った性行為も広まっています。性風俗も成長し、援助交際という名の売春・買春も広まりました。

欧米ではこうした傾向には既にストップがかかっているにもかかわらず、わが国では、いまだに「常識」です。それによって、先進国では唯一、わが国の若者の性感染症は増加しているのです。青少年の性感染症を減らすため、性教育の果たす役割はとても大きいと言えるでしょう。

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