膣のはなし

重要な生殖器の一部であり、子供が生まれてくる道である膣ですが、意外と男性にはその機能がよくわかっていません。例えば、処女と性交したことのある人で、「処女膜を破った」と感じたことのある人はいるでしょうか?また、処女膜は本当に「膜」なのでしょうか?

避妊をせずに性交しても、多くの場合妊娠しません。精子と卵子が結合すれば妊娠するはずですが、毎回1憶以上の精子を注ぎ込んでいるのに、なぜ妊娠しないのでしょう?

【処女膜は膜ではありません】

処女の膣には処女膜があります。英語やラテン語ではヒーメンと呼ばれますが、杉田玄白が「解体新書」で「処女膜」という語を発案して使用したのが、言葉の起源です。「膜」と呼ばれるため、膣の入り口をふさぐふたのようなものをイメージされがちですが、実際には膣の入り口付近に張り付くヒダにすぎません。もし、膜があったら、月経の血液が外にでてくることはできません。バージンでも膣の中は、開いています。

処女膜は必ずしも初めての性交渉で破れるものではなく、激しい動作などで損傷することもありますが、タンポンの使用で裂けることはありません。性交でも損傷しないこともあり、必ずしも処女膜の存在と処女であることとは一致しません。また、一度の性交でなくなるものではなく、徐々になくなるもので、出産時にはほぼ完全に損傷します。

人間だけでなく、ゾウやネズミなど他のほにゅう類の中にも、処女膜を持つ動物がいます。細菌などからの膣内保護のためなどの説もありますが、役割は解明されていません。生理学的には無用のものと言われています。

【膣の中で精子は死滅します】

精子は酸に弱く、射精前にはカウパー腺を分泌して酸性の尿道内を中和します。しかし、せっかく中和された通路を抜けて膣内に入っても、そこは酸性です。精子は膣内に入った途端、99%が死滅するといわれています。一度の射精で1億から4億の精子が放出されますので、99%が死んでも、400万個の精子は生き残れます。

膣内に射精された精子は中を泳いで子宮を目指します。子宮に到達できると、今度は白血球の攻撃にさらされ、ここで数多くが死滅してしまいます。白血球は、細菌などが体内に侵入すると攻撃する役割を担っています。膣内においては、精子は細菌同様の異物と判断され攻撃されるわけです。

何とか卵管の入り口に到達した精子は、ここで識別され、一定の条件を満たすものだけが通過を許可されます。ここまででほとんどの精子は死滅します。卵管に入れたごくわずかの精子だけが生き残りをかけた最後の戦いに挑み、その中で、ごくまれに卵子にたどり着ける者がいるというわけです。卵子と結合できるのは、何十億、何百億の精子の中の、たったひとつです。

膣の中も実に不思議な世界です。精子に対して厳しい試練を与えることで、強いものを選別しているのでしょう。

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