教科書ではどうなっているのか?

学校が十分な性教育をしていれば、親が教えることはそれほど多くはないはずです。しかし、日本の公立の小学校、中学校ではそれほどきちんとした教育は行われていないのが実情です。算数や国語の教え方についてすら、各方面からバッシングされている公立学校の先生方が、性教育についてだけ抜群の技能を発揮できるはずがないことは火を見るより明らかです。

東京都では、子どもたちに人形を使った性教育を行っていた教員たちを処罰した経緯があります。内容の是非とは別に、教員のあいだでは、学校が子供に性教育をすると保護者からクレームが起こり、大問題に発展する危険性が極めて高いと考えられるようになりました。

子どものために工夫をこらすよりも、何もしない方がベターなのだということになったのです。学校教員が性教育に積極的になれないのは、こうした背景もあります。学校で性を教えると、クビになるリスクがあるのでは、苦労して教えることはできません。

また、文部科学省の学習指導要領に基づいて作成されているはずの保健などの教科書においても、性に関する記述は及び腰で、十分に説明してはいません。子どもが一人で学ぼうとしても、教科書では何もわからないのです。

【教科書では性器についての説明はしない】

保健の教科書には、人のからだの挿絵はありますが、何の説明もありません。人間は小さなうちから自分の性器に関心を持っています。それなのに、教科書にはその名前すら載せられていないのです。そのくせ、月経や射精については教えています。つまり、男性は体のどこかから白いドロドロの液体がなぜか出てくる、女性も体のどこかから血液がだらだらと3~4日間出てくる、と書いてあるわけです。

何も知らない子供が読んだら、何が書いてあるのか理解はできないでしょう。大人が何かを隠している、と思われても仕方がありませんし、セックスはよほど淫靡(いんび)で悪いことに違いないと考えるかもしれません。女子の場合、4年生になれば初潮を迎える子がいます。自分のからだのどこから血液が出てくるかくらいは知っています。それなのに、教科書では伏せてあるのです。

【生理になっても、教科書では対処できない!?】

月経を迎えれば、出血をカバーするために生理用品をあてなければならないのに、場所が書かれていないために、教科書だけではどうすればいいのかわかりません。「どこかから出血するので、そのときには生理用品をどこかに当てなさい」と指示されて心の準備ができるでしょうか?

男子についても、体の中で精子が作られて体液と混ざって精液となり体外へ出される、と書いてあるだけです。どこから出てくるのかわからないのに、初めての精通の時にそれが射精だと理解できるでしょうか? 射精まえには勃起することも書かれていないのです。4年生くらいになれば勃起は経験しているので、知っています。

それなのに、射精と勃起との関係を教えていないのです。子どもが関心をもっている重要な事実が隠されていては、検閲の厳しい国の教科書と同じです。偏見に満ちた教育となってしまいます。

公立学校の教育現場では、性教育について前向きではありません。教科書にも、あいまいな漠然とした内容しか記載されていません。正しい知識は親が教えるしかないのです。

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